関学大QB・奥野が3週間ぶりに復帰 日大・宮川選手と「また戦いたい」
「アメリカンフットボール・春季交流戦、関学大27-16関大」(27日、万博フィールド)
関西学生アメリカンフットボールの春季交流戦が27日、大阪府吹田市の万博フィールドで行われ、関学大が27-16で関大に勝利した。日大との定期戦で悪質なタックルを受け、腰などに全治3週間のけがを負った関学大のQB奥野耕世選手(2年)は3週間ぶりに復帰し、後半からQBとしてプレー。38ヤードTDパスを通すなど勝利に大きく貢献した。試合後にはタックルをした日大・宮川泰介選手の選手復帰を望むと明かした。これまで奥野選手の父親の意向で名前は非公表にしていたが、関学大が試合前に公表を認めた。
フィールドを駆け回る背中からは、ここに立てる喜びがにじみ出ていた。前半はフィールドゴールの際、スナップを受けるホルダーとして2プレー、後半は司令塔であるQBとしてチームをけん引。負傷した膝にはテーピングを巻いていたが、堂々たるプレーぶりで勝利に貢献し「特別な思いは特になく、出たときは自分のプレーをいつも通りやろうと思った。タックルに対しての恐怖心はなかった」と振り返った。
最大の見せ場は第4Qのファーストプレー。敵陣38ヤードからの攻撃でエンドゾーン右隅にボールを投げ込み、TDパスを通した。当初の狙いは左へのパスだったが、状況を見極め、プレーを選択。勝利につながる一発に「素直にうれしかった」と笑みを浮かべた。
公の場に出るのは負傷後初めて。日大の内田前監督や井上前コーチについてはコメントを控えたが、日大の宮川選手に対しては「本人は『やる権利はない』って言ってたけど、それはまた違う。機会があれば、グラウンドでまた戦いたい。ルール内で勝負できたら」と“再戦”を願った。
今はまだ控えQBの立場だが、高校3年時には全国高校選手権決勝・クリスマスボウルに出場し、準優勝した実力者だ。関学大での本格的な出場は今春から。エースの座を狙う中での活躍に、鳥内秀晃監督も「いいパフォーマンスだった。上出来」と高評価を与えた。
「プレーでファイターズに、日本一になるために貢献できたら」と奥野。さまざまな思いを抱えた3週間は終わった。本格的なシーズンを迎える秋には、さらに強くなって帰ってくる。