横審、稀勢の里に名古屋場所の強行出場求めず「体治して」休場期限もなし

横綱審議委員会の会合に出席した北村正任委員長(左から2人目)=両国国技館
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 日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会が28日、都内の両国国技館で会合を開き、7場所連続休場となった横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=について、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は、来場所である7月開催の名古屋場所に、必ずしも無理に出場する必要はないとの見解を示した。

 稀勢の里は昨年初場所で初優勝し横綱に昇進。続く春場所でも2場所連続となる優勝を果たしたが、この際に負った左上腕、左大胸筋のけがに悩まされ続けた。同年夏場所、名古屋場所は途中休場。秋場所は全休。九州場所は途中休場。今年に入って初場所は途中休場し、春場所と夏場所は初日から全休した。

 横綱の7場所連続休場は年6場所制となった1958年以降では貴乃花と並ぶワースト記録。横審の北村委員長は「非常に残念ですね。ただ、前から私何回も言っていますけど、きちっと体をつくって、心身ともに自信を持てるようになって出てきてほしい。次の場所、なんとかそうなってほしいと思います」と語った。

 ここで言う「次の場所」というのは来場所の名古屋場所とは限っていないとした。その上で、「名古屋を休んだらどうなるかと聞かれるんですけど、今のこの段階で話をしたくないですね。体を治して出てこられるようになってほしいなと思います」と現時点では、名古屋場所を休んだ場合のケースには触れなかった。

 北村委員長は夏場所5日目の本場所総見後に稀勢の里の7場所連続休場について、「今までにない話。横審で何か言うかもしれない」と発言。「激励」や「注意」などの決議を行う可能性を示唆していた。

 この日も名古屋場所で休場した際に決議をとることは「可能性はあると思います」と否定はしなかったが、それよりも、無理に出場して成績が伴わなかった時の悪影響を心配していた。「出てきた結果、まずい結果しか出てこなかった時にどうなるか。一番、それを決めるのは本人ですけどね。横審として何か言わざるを得ない場面も出てくるかもしれない。できるだけそうならない方がいいと思っていますけどね」と、“まずい結果”に終わることの方を懸念していた。

 最終的にいつまでに出場すべきか、という休場の期限については「そういう条件は特に考えておりません。(各委員とも)同じです」と意識していないとした。都倉俊一委員(作曲家)は「けがだけは完璧に治してほしいと思います。もしまだだと思ったら治るまで。本人も、そうじゃないとあきらめきれないでしょう。中途半端に出て途中休場してでは」と発言。山内昌之委員(東大名誉教授)は名古屋場所も休場した場合に「一つの強い表現が使われるかもしれないですね。ちょっと今の段階では(言えるのは)そこまでです」と含みを持たせた。

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