内田前監督&井上コーチを永久追放 関東学連「指導者失格」と断罪
日本大アメリカンフットボール部の宮川泰介選手による悪質なタックル問題で、関東学生連盟は29日、都内で臨時理事会を開いた。内田正人前監督(62)と井上奨前コーチを罰則規定で最も重く永久追放に相当する「除名」に、守備を統括する立場だった森琢ヘッドコーチを「資格はく奪」、宮川泰介選手とチームは、条件付きで18年シーズン終了まで公式試合の出場資格停止処分とした。規律委員会の調査で、反則は内田、井上両氏からの指示によるものと認定した。
関東学連が日大側に厳罰を下した。規律委は日大関係者や当該選手、関学大関係者、審判、試合を見ていた観客ら約20人にヒアリングを行った上で、前監督の反則指示を全面的に認定。内田前監督、井上前コーチに「除名」処分を下した。
指示を認定するにあたって、争点となっていた「QBつぶせ」という指示の意図について、指導者側の「選手との認識の乖離(かいり)」という主張を覆した。井上コーチは「思い切りプレーしてほしかった」と弁明したが、森本専務理事は「激しくいくのはアメフットでは当たり前。日本代表にも選ばれるような選手にわざわざ指示するのは不自然」と指摘。同コーチが試合前に「相手QBは友達か」と尋ねた点を挙げ「友達にはできないこと指示したとしか考えられない」と故意に負傷させる意図があったとした。
また、関学大との試合中、反則退場後に落ち込んでいる当該選手に対し、チームメートが「監督の言うとおりやったんや」と発言したことを観客が聞いているという。さらに、反則後に宮川選手を交代させなかったことに、内田前監督は「ボールを見ていて、プレーを見ていなかった」と説明したが、動画で確認したところ、宮川選手の反則プレーを見ている事実を確認できたという。総合的な観点から「反則指示があった」と認定した。
前監督の指導について、森本専務理事は「スポーツの中である程度厳しくすることで成長するのも事実。ただ、最後まで追い込んだことは指導者として不向きであると言いようがない」と断罪。寺田監事も「ケガをさせるプレーを指示したことは指導者失格」と言い切った。
関東学連は指導者に厳罰を下しつつ、チーム、宮川選手については再発防止策などの条件を満たせば18年シーズン中の資格復帰も認めるという。また、内田前監督らへの除名処分については、6月末までに開催予定の社員総会の決議で正式に決まるが、本人に弁明の機会も与えられる。