東京五輪マラソン、遮熱コースで猛暑対策 高橋尚子さん「暑さなければハイペース期待」

 東京五輪パラリンピック組織委員会は31日、2020年東京五輪のマラソンコースを発表した。現在建設中の新国立競技場をスタートし、浅草雷門、日本橋、銀座、増上寺、東京タワー、皇居外苑など東京名所を経て、国立競技場に帰ってくる42・195キロのコースになる。

 熱いレースを期待する一方で、気になるのは暑過ぎる真夏の東京で実施するマラソンへの対策だ。男女ともに8月上旬に開催予定で、朝のスタートも検討されているが、午前中から気温30度を超えることも想定される。

 組織委によれば、国や東京都が遮熱舗装の道路の整備を進めているという。特に東京都は、マラソンコースを含む都道で2020年までに累計約136キロを整備予定で、既に115キロは舗装が終了。また、スポークスパーソンの高谷正哲氏は「マラソンに限らず大会全般に関わることだが、(暑さ対策の)検討メンバーを設けて、会場施設、予防運営、救護運営、情報提供・注意喚起の4つのポイントで暑さ対策を協議している」と説明した。

 シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん(46)は「毎年2月の東京マラソンでも素晴らしい記録が出る。コースだけを考えれば、女子だと2時間22~23分、男子だと2時間5~6分は確実」とコースの印象を明かしつつ、「暑ささえなければハイペースを期待できる」と気温が明暗を分けると強調した。

 自身は1998年アジア大会(バンコク)で35度近い猛暑の中で優勝した経験もある。「遮熱やスプリンクラーの用意はこれからだと思うが、もちろん選手はスタートを決められたらそれに向けて準備することが大切。準備する夏はあと2回ある。みなさん同じ条件なので、しっかり準備して走り切ってほしい」とエールを送った。

 また、コースの特徴として、終盤の37キロ付近から40キロ付近の間に大きな上り坂が2つあることにも触れた。自身は2003年東京国際女子マラソンの終盤に失速した経験もあるだけに「最後の最後まで勝敗がわからない、ドラマチックな展開になるのではないか」と分析。「暑さもある中で最後まで走り切る体力と知力を兼ね備えた選手が勝つコースだと思う」と期待を込めた。

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