【弁護士の見解】日大悪質タックル問題「傷害罪で書類送検になる可能性」
日本大アメリカンフットボール部の悪質な反則問題で、負傷した関西学院大の選手側が、日大の内田正人前監督と井上奨前コーチについて、傷害容疑の告訴状を警視庁調布署に提出し、受理されたことが31日、関係者への取材で分かった。
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関学大の選手側が告訴状を提出したことについて、「弁護士法人・響」の徳原聖雨弁護士が31日、デイリースポーツの取材に応じ、「共謀共同正犯として傷害罪が成立する可能性は十分ある」と語った。
徳原弁護士によると、今回の件は、犯罪を指示し、そそのかした「教唆」とは異なるという。「何人かで犯行をたくらみ、1人が実際に犯行を行ったという形で、全員が同じ犯罪に加担したとして共謀共同正犯が成立します」と解説した。その上で「実際の立件にはハードルが高くて、直接的に指示したことを示す録音や書面などの証拠がない以上、第三者の供述や試合映像など、間接的な証拠を積み重ねていくしかない」と分析。「結果として、書類送検という形で成立することになるのではないでしょうか」とした。
告訴については「被害届に比べ、より処罰感情が強いもの。また、被害届の場合は警察の捜査も任意ですが、告訴の場合は警察は書面や証拠を検察に送らなければいけない」と説明。先に加害選手への被害届を提出し、その後に告訴に踏み切った流れに関しては「まずは実行犯に対して被害届を出しておかないと、その事件がどういうものか、被害が何なのかがはっきりしない可能性があったため、手続き上の流れとしてこうなったのでは」と推察した。