羽生結弦に国民栄誉賞 五輪2大会連続金 個人では最年少

 平昌五輪で2大会連続金メダルを獲得した男子フィギュアの羽生結弦(23)の国民栄誉賞受賞が1日、決定した。菅義偉官房長官が記者会見で明らかにした。羽生はソチ五輪、平昌五輪で2大会連続で金メダルを獲得。これは66年ぶりの快挙だった。7月2日に授与式が行われる。個人では最年少の受賞者となる。

 羽生は宮城県仙台市出身。五輪連覇の他、世界選手権も2回優勝、グランプリファイナル4連覇、全日本選手権も4連覇を飾っている。

 16歳だった11年の東日本大震災では仙台のリンクで練習中に被災。自宅も全壊判定を受けた。体育館で4日間の避難生活も体験。この経験から、以後も被災地のために多くの活動を行ってきた。

 昨年11月のNHK杯前の練習では4回転ジャンプの着氷に失敗し、右足首を故障。約2カ月氷上での練習ができなかった。そんな危機を乗り越え、五輪では4度の4回転を含め、ほぼ完璧な演技を披露。多くの国民に感動を与えた。

 政府は今年3月に羽生への同賞を授与する方針を固めていた。3月の会見で菅官房長官は「(五輪連覇は)まさに歴史に残る快挙。社会に明るい夢や希望を与え、東日本大震災の復興への力強いメッセージとなった」と授与の理由を語っていた。

 国民栄誉賞とは、1977年に政府が創設。広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える顕著な業績を残した個人が対象で、本塁打世界記録を打ち立てた王貞治選手(当時)が第1号。2011年にサッカー女子ワールドカップ(W杯)で初優勝した日本代表「なでしこジャパン」に贈る際、団体でも受賞できるように表彰規定を変更した。直近では将棋の羽生善治氏と囲碁の井山裕太氏に授与された。

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