内田前監督の評判は「独裁者」 絶大な権威持ち理不尽な指導も…

 アメリカンフットボール部の悪質反則問題に揺れる日本大は1日、都内で理事会を開き、内田正人前監督(62)の常務理事の辞任を承認した。

 大学の看板スポーツだったアメフット部のトップに続き、巨大な学校法人での「ナンバー2」の地位も手放さざるを得なくなった。内田前監督は選手らに厳格に接し、あるコーチが「白いものは内田が黒と言えば黒」と言うほど、絶対的な立場だった。大学内でも、ある教授が「独裁者」と皮肉るほど権限が集中した。

 現役時代は屈強な攻撃ラインマン。03年に日大の黄金期を築いた名将、故篠竹幹夫監督の後任に就任。一度は退き、わずか1シーズンで17年に復帰を果たすと、スパルタ式練習はさらに厳しさを増した。約20人が退部する事態を招いたが「僕のやり方はそれしかない」と妥協を許さず、チームを27年ぶりの学生日本一に導いた。

 一方で理不尽ともいえる指導もあった。期待する選手に厳しい練習を課したほか、全員の前で名指しで酷評するなど、肉体的にも精神的にも追い込んだ。部員はこの対象になることを「はまる」と呼び、経験した選手は「もうやめようかと思った」「地獄だった」と振り返ったという。

 内田氏に対し学内の誰もが進言や忠告ができない状況が今回の不祥事対応で完全に後手に回る原因といえた。絶大な権威こそが社会問題に発展する事態を招いた。

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