日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）の２０１７年度ＪＯＣスポーツ賞の表彰式が８日、都内で行われ、平昌五輪のフィギュアスケート男子で６６年ぶりの五輪連覇を達成した羽生結弦（２３）＝ＡＮＡ＝と金メダルを含む３つのメダルを獲得した高木美帆（２３）＝日体大助手＝が特別栄誉賞を受賞した。羽生は国際スケート連盟（ＩＳＵ）の総会で決まった新ルールについて前向きに語った。最優秀賞は選手団主将の小平奈緒（３１）＝相沢病院＝が受けた。

　新シーズンを見据え、徐々に心の温度は高まり始めているようだ。授賞式の壇上で「頑張ります。メラメラしてます」と白い歯を見せ語った羽生は、来季へ思いを巡らせた。

　ＩＳＵの総会では、ジャンプの回数制限やＧＯＥ（出来栄え点）の幅が拡大されることなど、新たなルールが決まっている。その中「ジャンプの質にこだわり続けたい。これからもきれいなジャンプを目指してしっかり練習したい」と羽生。美しい演技でこれまでも高い加点を引き出してきた。新ルールでより有利に戦えるのではとの見方もあるが、その武器をより一層磨いて頂点を目指していく。

　ジャンプ構成については、既にある程度構想を練っており「もう１回練り直して、自分が自分の能力を最大限引き出せる状態で試合に臨みたい」と意欲十分。新プログラムは明かさなかったが「新たな決意を胸に新しい曲を滑っていく」と表情は明るかった。

　１日に発表された国民栄誉賞に続く、栄えある受賞。「日本代表として日本の文化を大事にして、日本人らしい、アスリートらしい人間でいたい」との言葉にも、いつも以上に力がこもる。ルールが変わっても、頂点を求める王者のその姿勢は何ら変わらない。