張本が大金星!リオ金メダルの馬龍倒し歓喜のガッツポーズ
「卓球・荻村杯ジャパン・オープン」(9日、北九州市立総合体育館)
男子シングルス準々決勝で、世界ランク10位の張本智和(14)=エリートアカデミー=が、リオデジャネイロ五輪金メダリストの馬龍(中国)に4-2で勝利し、準決勝に進んだ。混合ダブルスは、昨年世界王者の吉村真晴(名古屋ダイハツ)石川佳純(全農)組が決勝で中国ペアに敗れて準優勝。女子シングルスは伊藤美誠(17)=スターツ=が4強入りしたが、石川、平野美宇(日本生命)、早田ひな(日本生命)は準々決勝で中国勢に敗れた。
天才卓球少年がついに最強王者からも大金星を奪った。張本は得意のバックハンドを武器に、いきなり3ゲームを連取。2ゲームを奪い返されたものの、第6ゲームにもう一度ギアを上げた。「東京五輪まであと2年で、世界で一番の選手に勝てたのはびっくり。(今後も)誰にでも勝てる選手になりたい」。ホームの大喝采を受けながら、信じられないとばかりにしゃがみ込んで両手を掲げた。
馬龍は15、17年世界選手権、16年リオ五輪と世界大会を3連覇している現役最強の男。日本勢でも12年の丹羽孝希以来6年ぶりの勝利となった。屈指のレシーブ力を誇る相手に、張本はトスを高く上げる「投げ上げサーブ」でタイミングをずらし攻略。「6ゲーム全体で粘ることができた。ひらめきで勝てる相手じゃないので、地力でしっかり勝つことができた」と胸を張った。
小学6年だった15年に一度敗れていたが、3年間の急成長を証明した。「今日は95点」と自賛しながらも、「あとの5点はあしたに取っておきたい。馬龍選手に勝つよりも優勝したいので、まだまだ安心せずにやりたい」。快挙に酔いしれず、冷静に頂点を見据えるのも中学生離れした強さの要因だ。
今年4月には世界ランク1位の樊振東(中国)に勝利し、5月にはロンドン五輪王者の張継科(中国)を撃破。男子代表の倉嶋洋介監督は「五輪で金メダルを目指せる選手に少しずつなってきた」と称賛。次々と大物食いを果たす14歳にいよいよ死角はなくなってきた。