張本智和が大会最年少V、ロンドン五輪金を逆転 伊藤美誠とアベック優勝
「卓球・荻村杯ジャパン・オープン」(10日、北九州市立総合体育館)
男子シングルス決勝で、世界ランク10位の張本智和(14)=エリートアカデミー=は、ロンドン五輪金メダリストの張継科(中国)に4-3(9-11、8-11、11-9、11-4、10-12、11-7、13-11)で勝利し、初優勝した。14歳での制覇は14年大会を16歳で制した于子洋(中国)を超えて大会最年少記録となり、日本勢でも13年大会の塩野真人以来の優勝となった。女子の伊藤美誠(17)=スターツ=とアベック優勝となった。
先に2ゲームを取られ、2ゲームを取り返した張本。5-6から相手がタイムアウト。重要な再開後のポイントをとって6-6に。以後、ポイントを奪い合い、ゲームポイントを迎えたが、相手のエッジボールによる不運な失点でデュースに突入。ここから2ポイント連続で落としてこのゲームは落とした。
追い込まれた張本は第6ゲーム序盤、4連続ポイントを含む積極的な攻撃を見せたゲームをリード。相手も実力を見せ食らいついてくるが、終盤はバックハンドで鋭い縦回転をかけるチキータで相手のミスを誘い、最後は第5ゲームとは対照的にエッジボールによるポイントで、最終ゲームに持ち込んだ。
最終ゲームも序盤リードを奪いながら6-6と同点とされる激戦となった。先にマッチポイントを握られたが強気で打ち返してデュースへ。張本1度目のマッチポイントはものにできなかったが、11-11からサーブを読み切った強打のレシーブと、相手のレシーブミスによる連続ポイントで初の栄冠をつかみ取った。雄たけびをあげた張本はコートにうつぶせに突っ伏して笑顔で喜びを爆発させた。
張継科は1日の中国オープンで初金星を奪った強豪で、決勝前には「先週対戦したばかりだが、勢いと実力では負けないと思う」と意気込んでいた。
前日の準々決勝では、最強王者の馬龍(中国)から大金星を奪い、準決勝では世界選手権銅メダリストの李尚洙(韓国)を撃破。それでも、「馬龍選手に勝つよりも優勝したいので、まだまだ安心せずにやりたい」と冷静に気を引き締めていた。