伊藤美誠 多彩な技術で中国若手エース初撃破!「優勝することもできて本当に幸せ」
「卓球・荻村杯ジャパン・オープン」(10日、北九州市立総合体育館)
男子シングルス決勝で、世界ランク10位の張本智和(14)=エリートアカデミー=が、ロンドン五輪金メダリストの張継科(中国)に4-3で逆転勝ちし、初優勝した。準々決勝の馬龍(中国)に続いて五輪王者を倒しての快挙となった。女子シングルス決勝は、世界ランク6位の伊藤美誠(17)=スターツ=が、同3位の王曼イク(中国)を4-2で破って初制覇。男女とも同種目の日本勢の優勝は13年大会の塩野真人、福原愛以来5年ぶりでアベックVとなった。
伊藤が、過去6戦全敗だった中国の若手エースをついに撃破し、跳びはねてガッツポーズしながら喜びをかみしめた。「今季のツアー初優勝ですごくうれしいのと、ずっと勝てなかった相手に勝てた」。身長176センチでパワーのある王をサーブで崩しながら、台上の多彩な技術で攻略した。
2学年上の王とはジュニア時代から対戦してきたが、世界でも突き抜けており「雲の上の存在」だった。ただ、直近の香港オープン、中国オープンでも王に敗れており、「3大会連続で負けるわけにはいかなかった。三度目の正直で勝って、優勝することもできて本当に幸せ」と、ダブルの達成感に酔いしれた。
準決勝では“奇跡の大逆転劇”も見せた。世界ランク10位の陳幸同(中国)相手に3ゲーム連続で落とし、第4ゲームも4-9とリードされたところから取り返し、そこから4ゲーム連取。「0-3で難しいかなと思ったが、負けてもいいやと。一度死んだと思って戦った」と、開き直る精神力も17歳の武器だ。
東京五輪に向けて打倒中国への自信を深めたが、「またやったらどうなるかわからない。気を引き締めてこれからも頑張りたい」と伊藤。「いつ、どこで、誰とやっても、中国選手に勝てるように実力をつけたい」と、“燃える闘魂”をたぎらせた。