桐生今季ベストで2位 日本選手権に向け「一つずつ地に足をつけてやりたい」
「陸上・ダイヤモンドリーグ第6戦・ストックホルム大会」(10日、ストックホルム)
桐生祥秀(22)=日本生命=は追い風2・0メートルだった男子100メートルで今季自己ベストの10秒15をマークし2位だった。ハッサン・タフティアン(イラン)が10秒07で優勝した。桐生は主にスウェーデン選手を対象としたレースにも先に出場し、10秒25だった。
号砲への反応時間は8選手中トップ。終盤で伸びを欠いたようにも見えたが、桐生の感じ方は違った。「中盤から後半を意識し、そこを試すために走った。スピードが落ちずに(最後まで)落ち着いていけた」。記録よりも感触で得た収穫が、日本記録保持者の表情を明るくさせた。
「夢の9秒台」という重荷を下ろした今季は、新たな取り組みを試している。「(ピークを)夏に合わせてスタートするのは初めて」と、春先に好タイムを出しながら夏に失速した反省を踏まえた。欧州合宿も敢行し、「こういうやり方もあったなと(後々)思えるようにいろいろやっている」と変化を語る。
次戦は22~24日の日本選手権(山口)。17年は4位と惨敗し、世界選手権はリレーしか出られなかった。夏のジャカルタ・アジア大会に目標を置く中で、どんな走りを見せるか。「今は結果的に9秒台が出ればいいなという感じ。一つずつ地に足をつけてやりたい」と無駄な力は抜けている。