栃ノ心が大関昇進後初の稽古 凱旋帰国で「体重落ちてる」必死にムチ
大相撲夏場所後に大関昇進を果たした栃ノ心(30)=春日野=が13日、都内の部屋で大関初の稽古を行った。場所後は昇進行事など忙しく、前日に凱旋帰国していたジョージアから再来日。17日ぶりの稽古再開に「つらい。体重は落ちてる」と、なまった体に必死にムチを入れた。
お祝いムードはもう吹っ飛んだ。四股、テッポウなど基礎運動でじっくり汗。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)から「お前、(稽古を)やらないのか、やれないのか?」と問われ、「胸を出します」と即答した。続いて「焦ってやらないとダメだぞ!」と、きつい叱責(しっせき)を飛ばされた。
若い衆相手のぶつかり稽古に次々と胸を出し、約20分、休むことなく下半身の動きを確認した。帰国中はお祭り騒ぎで毎日祝宴だっただけに「ワインが出てきた。汗?気持ち悪い」と、約3時間の稽古を振り返った。
「少しずつ汗をかいて、きょうからまたやっていかないと」。先場所終盤、痛めた右手首がまだ本調子でなく「早く治して」と、状態を見ながら、状態を上げていく。
母国でも「大関~」とどこに行っても大声援を浴びた。「ここまで感じたことがないものを感じている」と責任も徐々に実感してきた。昨年11月に誕生した長女、アナスタシアちゃんを初めて抱っこしたことにも触れ「(自身と似ていると)少し思った。俺より(栃ノ心の)お父さんの方に似ているんだよ。7カ月だけど、普通の7カ月の子より9センチも大きいんだよ」と、目尻を下げっぱなしだった。