栄和人氏「伊調選手、田南部コーチに深くお詫び」 パワハラ認定後初の公の場
女子レスリングで五輪4連覇の伊調馨(34)=ALSOK=へのパワーハラスメントが認定され、日本レスリング協会の強化本部長を辞任した至学館大の栄和人監督(57)が14日、都内で取材に応じた。パワハラ認定後、栄氏が公の場で発言するのは初めて。
栄氏はグレーのスーツに青いネクタイ姿で登場、報道陣を前に「第三者委員会および、内閣府からご指摘いただいたパワハラ認定を真摯に受け止め、伊調選手、田南部コーチ、レスリング協会関係者、また、内閣府をはじめとする関係省庁、さらにこれまでレスリングを応援してくださった国民の皆さまにただいなご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
体調不良や、裁定を受ける立場であったことなどから公の場で発言することを控えていたことを説明し、「今後、二度とこのようなことを起こさないよう、常に他人に敬意をもって接することを心がけたいと思います」と語った。「協会が実施する改善策プログラムに沿って、一指導者として日々、精進したいと思います」と話した。
問題は、今年1月にレスリング関係者が代理人を通じて、内閣府の公益認定等委員会に、伊調が栄氏にパワハラを受けていたという告発状を提出したことで発覚。協会側は当初否定していたが、その後の第三者委員会の調査で、伊調への罵倒や、2010年の不透明な代表選考など4点がパワハラとして認定され、栄氏は4月に強化本部長を辞任した。
認定されたパワハラは、女子合宿中に栄氏が伊調に対して「お前、よく俺の前でレスリングができるな」と言ったことなど4点。一方で告発状に記載されていたロンドン五輪後の男子合宿への参加禁止、リオ五輪後の警視庁への出入り禁止、現在までにおける練習場所確保への妨害は認定されていない。23日の評議員会で常務理事を解任される見込みとなっている。
至学館大学で監督を続けるかどうかについては「至学館大学にも、今のアスリート、オリンピックを目指す選手がいますので、その選手たちが望むのであれば、少しでも力になれるのであればと思って、今はやっておりますが。もっともっとしっかり勉強して、どういう形で携わっていくのかはゆっくり考えたいと思います」と含みは持たせながらも続ける意向を示した。大学側の判断に従うとし、「自分の判断ではどうしようもありません。(練習に)顔は出しております」と語った。