レスリング栄希和は準優勝 同門先輩に敗戦も「全て出し切った」
「レスリング・全日本選抜選手権」(15日、東京・駒沢体育館)
女子65キロ級決勝が行われ、栄和人前強化本部長を父に持つ栄希和(24)=ジェイテクト=は、伊藤彩香(東新住建)に4-8で敗れた。準優勝に終わり、10月の世界選手権(ブダペスト)代表は逃した。
ともに至学館大を拠点とする“同門”の伊藤に対し、栄は果敢にタックルを仕掛けたがポイントを取りきれず、逆に試合終盤にタックルを食らってリードを広げられた。試合が終わると後ろに倒れ込んで天を仰いだ。
「相手は先輩なので強い人だとわかっていた。やれることは全て出し切った上で負けた」とすがすがしく振り返り、「タックルを受けてしまったのはディフェンスに課題があったからだが、最後まで攻めて勝とうという気持ちでタックルにいけた」と敗戦にも納得した様子だった。
以前手術し、長いリハビリを経た右肩はガチガチにテーピングを巻いていた。「マットに上がれば関係ない」と話したものの、今年3月のW杯で再び関節唇が裂けてしまったといい、今後は手術も検討するという。
昨年12月の全日本選手権では初戦敗退で5位に終わったものの、2月のヤリギン国際大会で準優勝するなどの実績が評価され、3月の女子W杯に出場。大会直前に栄前強化本部長のパワハラ問題が発覚したことから注目され、「私は(代表を)辞退した方がいいですか」と相談するほど追い詰められたが、重圧の中で1勝を挙げ、チームの優勝に貢献し涙を流した。
12月からは東京五輪に向けた選考レースがスタートする。右肩に故障も抱える中、2020年を見据え、「まずは12月(全日本選手権)に勝てるように頑張りたい」と誓った。