電撃解任の栄氏 現場復帰も観客席で芸能人と談笑に選手も疑問「本当に反省してる?」
「レスリング・全日本選抜選手権」(17日、駒沢体育館)
日本レスリング協会副会長で至学館大の谷岡郁子学長(64)が報道陣の取材に応じ、レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)にパワーハラスメントを行ったことが認定された栄和人前強化本部長について、同大の監督を解任したことを発表した。大会終了後に会見した谷岡学長は「私たち至学館大学は栄和人監督を解任することを決断いたしました」と、明かした。
引き金となったのは、大会初日に行った謝罪会見の後の栄氏の態度だった。「謝罪会見、その後の様子を見て、まったくまだ分かっていない。反省できていない」と、谷岡学長。この大会、学長が「セコンドについてくれないか?」と打診したが、「理由はわからないが」拒否。
大会2日目には会場を離れ、友人と昼食を取りに出かけていた。観客席でもタレントの千原せいじと談笑する姿がメディアに流れ、選手からも「監督は本当に反省しているの?」という声が上がったという。谷岡学長は友人と昼食を取りにいったと聞かされた後に「これは駄目だなと。陣頭指揮を執る人のやることではない」と、解任を決断。
翌日に大学の関係者などと調整し、解任を最終決定。栄氏を名古屋に“強制送還”した。解任を告げられた栄氏は「申し訳ありませんでした」と、謝罪したという。
栄氏はパワハラが認定された4月に協会の強化本部長を辞任。その後は至学館大の監督として、選手たちを指導しており、この大会で“現場復帰”だった。指導者として信頼を置いていた谷岡学長だったが、栄氏について「本当に、自分でもいっていたが『俺、子供ですよね』と。子供だったらまだいい。大人だから始末に負えない。よくあれで社会を渡ってこれたなと。本当に“アンバランスの権化”」と、糾弾した。