トヨタ 悲願のルマン初V 日本チームが日本車&日本人ドライバーで勝つのは初
「ルマン24時間」(17日、サルテ・サーキット)
伝統の自動車耐久レースに2台で臨んだトヨタはポールポジションからスタートした中嶋一貴らの8号車で初優勝を果たした。小林可夢偉らの7号車は2位。3人のドライバーが交代して周回数を競い、3位以下に10周以上の大差をつけた。日本チームが日本車、日本人ドライバーを含む態勢で勝つのは初めてで、日本メーカーとしては91年のマツダ以来2度目。日本人ドライバーは95年の関谷正徳、04年の荒聖治に続いて3人目。最上位のLMP1にエントリーした自動車メーカーはトヨタだけだった。
過去5度も2位に甘んじ、2年前は優勝目前の残り約3分でマシントラブルに泣いた。栄光のチェッカーフラッグを受けた8号車の中嶋が言った。「ちょっと時間がかかりすぎたけど、悲願を達成できて良かった」。強さも磨いたトヨタ20度目の挑戦だった。
アウディ、ポルシェの相次ぐ撤退で形勢は優位だった。もっとも、コースの大半はでこぼこな公道で、昼夜の路面温度は変化が大きい。2台がリタイアした昨年の反省から部品を一つ一つ見直し、勝てる車を整えた。
最高峰のLMP1クラスで半数がリタイアした中、ハイブリッド車(HV)のトヨタ勢は先頭を譲ることなくワンツーフィニッシュを果たした。「自分たちとの戦いだと思っていた」。日本人初のF1正ドライバー、中嶋悟を父に持つ一貴は誇らしげに日の丸を掲げた。