桐生がアジア大会100メートル出場逃す 10秒16で3着
「陸上・日本選手権」(23日、維新みらいふスタジアム)
ジャカルタ・アジア大会代表選考会を兼ねて行われ、男子100メートル決勝で、9秒98の日本記録保持者、桐生祥秀(22)=日本生命=が10秒16で3着に終わった。
アジア大会の同種目2枠の内定基準、昨年10月以降に10秒12をクリアした選手で日本選手権3位以内の最上位者という条件を満たすことができなかった。
日本人唯一の9秒台男が、この種目ではアジアの舞台に立てなくなった。桐生は今季から変更となった選考基準を前日の予選後に知ったと言い「これで優勝しても(10秒)12を出せていないから行けなかった。準備不足。上位に入れば行けると思っていた」と明かした。
22日にマドリードで行われた国際大会で蘇炳添が9秒91(追い風0・2メートル)で優勝し、アジア記録に並んだ。19日には謝震業が9秒97を出し国内記録を更新するなど、中国勢の活躍がめざましい。桐生は「9秒台前半も出している選手がいる中で、1カ月後に自分も上げていって勝負できなかったのは悔しい」と本音をもらした。
しかし、世界選手権の出場を逃して涙した昨年とは比較にならないほど表情は明るい。予選10秒15、準決勝10秒16、決勝10秒16というタイムに「コンスタントに(10秒)1台を出せた。9秒台もコンスタントに出せていた後にパッと出せたから調整は間違っていなかったと思う」と手応えを感じている。24日は200メートルの決勝にも出場する。「もう一段階上げられなかったのは調整ミス。でも、すぐ次のレースに出たい気持ちがある」とわき上がる思いを胸に「大きい舞台で9秒台を出せる力をつけたい」と前を向いた。