バスケ日本男子 東京五輪へ望みつないだ!4連敗崖っぷちから2連勝で2次予選進出
「バスケットボール男子・W杯アジア1次予選、日本108-68台湾」(2日、台北)
最終戦が行われ、B組の日本(世界ランク48位)は台湾(同55位)を108-68で下し、同組3位で2次予選進出を決めた。4月に帰化したファジーカス・ニック(33)=川崎=がチームトップの32得点をマーク。八村塁(20)=米ゴンザガ大=も13得点で貢献した。4連敗の崖っぷちからの2連勝で、自力での東京五輪出場に可能性をつないだ。
残り1枚の2次予選進出切符を懸け、1勝4敗で並ぶ台湾との直接対決。40点差の圧勝で制した日本が、20年東京五輪へ希望をつないだ。試合終了のブザーを聞いても、選手たちに大きな喜びの色はなく、ホッとしたようにお互いをねぎらい合った。逆転突破の立役者となった八村は「チーム全員の力で勝てた」と、うなずいた。
4戦全敗の崖っぷちで迎えた前節、世界ランク10位の豪州戦で代表初招集となった八村が24点、ファジーカスが25点と新戦力の2人で総得点(79点)の半分以上を叩き出し、奇跡の初勝利を呼んだ。この日もまず勢いをもたらしたのは、ファジーカスだった。試合開始から立て続けにレイアップを決め、リバウンドでも台湾を圧倒。八村との2メートル超えコンビで“制空権”を握ると、チーム全体も活気づいた。豪州戦ではファジーカス、八村の陰に隠れていた馬場、田中といった主力が躍動して得点を重ねた第3Qには、司令塔の富樫が連続で3ポイントを決めるなどアウトサイドからのシュートも面白いように決まり、一気に勝負を決めた。
国際バスケットボール連盟(FIBA)は東京五輪の開催国枠の適用を明言しておらず、日本側に19年W杯での16強入りというノルマを課している。
ファジーカス、八村の活躍で何とか崖っぷちから生還した。ただ、さらなる強豪が集う9月からの二次予選では、米国の大学での戦いに戻る“NBAに最も近い日本人”八村の招集は厳しくなる可能性が高い。日本男子バスケの未来への道筋は、まだいばらの中にある。