稀勢の里、バースデーケーキに決意表明「平常心」 白鵬と連日の熱血稽古!
「大相撲名古屋場所」(8日初日、ドルフィンズアリーナ)
左大胸筋の負傷などで7場所連続休場中の横綱稀勢の里(田子ノ浦)が3日、32歳の誕生日を迎えた。名古屋市内の宮城野部屋に出稽古し、横綱白鵬(33)の胸を借りる熱血稽古で決意の一年の船出をした。前日、急きょ実現した三番稽古に続き、大先輩横綱から勝負魂を吸収し心身とも好転。調整遅れから休場は濃厚ながら、最終決断する取組編成会議前日の5日まで出場の可能性を慎重に検討する。
稀勢の里の32歳の幕開けは、宿敵で大先輩横綱への出稽古だった。前日、九重部屋で実現した白鵬との電撃稽古。2勝8敗と完敗したが「目覚めた」と、勝負魂がよみがえった。
愚直な男らしく好感触を深めたかった。「横綱の胸を借りて非常にいい感覚だった。きょうもと思って」。連日の三番稽古こそ、白鵬が「年寄は昨日だけ」と、かわしてかなわなかったものの、十分に充実したバースデーだった。
東前頭筆頭の正代(時津風)を指名し、11番全勝と馬力で圧倒。そして、ぶつかり稽古で連日、白鵬の胸を借りた。ゲキを飛ばされ、全力で計15本、無心で飛び込み、押し続けた。
「だいぶ感覚、体のスピードが出てきた。横綱には(稀勢の里が)新大関の時も部屋に来ていただいた。ありがたい」と感謝した。
稽古後、報道陣からプレゼントされたケーキにチョコレートで自ら「平常心」と三文字を書いた。「思うようにならないこともあるけど『平常心』でやり切って、いい一年にしたい。千秋楽まで取り切れるような場所が続くように」と誓いを立てた。
師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は出稽古を視察。「だいぶ良くなってきている」と確認したが「相撲を取って体を戻さないといけない。(出場は)慎重に考えたい」と、現状では出場にゴーサインは出せない。あと2日、稽古内容を見極め、5日に出場可否を決断する。