貴乃花親方 審判で貴公俊の勝利見届ける「師弟ともどもこれからですから」
「大相撲名古屋場所・2日目」(9日、ドルフィンズアリーナ)
春場所中に付け人への暴行事件を起こし1場所出場停止処分を受けた西幕下49枚目の貴公俊(21)=貴乃花=が復帰し、琴欣旺(佐渡ケ嶽)を寄り切って、みそぎの1勝を挙げた。愚行から113日、師匠・貴乃花親方(45)=元横綱=の教えを胸に心も強い力士になることを誓って出直した。中入り後は3場所連続制覇を狙う鶴竜と白鵬がともに2連勝。新大関栃ノ心も平幕千代の国を押し出して連勝スタートとなった。
貴乃花親方は貴公俊の再起星を土俵下で見届けた。「まだ修業の身。感謝の気持ちを持って土俵に上がってほしい」と弟子への思いを語った。どんな力士になってほしいかと問われると「師弟ともどもこれからですから。強い力士に。名前が『剛』ですから名前に恥じない力士になってほしい」と願った。
貴公俊の暴行事件 3月の春場所で新十両の貴公俊は、取組の出番を知らせる連絡をミスした付け人に激怒し、支度部屋で殴る蹴るの暴行を加えた。付け人は顔が腫れ、口から流血。師匠の貴乃花親方は9日目から途中休場させ、部屋で謹慎させた。協会側と対立していた親方も弟子の不祥事により協会側に“全面降伏”。監督責任などを理由に最も低い階級「年寄」へ降格した。貴公俊は6月、大阪区検に書類送検され、不起訴処分となった。