白鵬、ビニールテープで足滑らせ右膝負傷 師匠が説明「せっかく良かったのに」
「大相撲名古屋場所・4日目」(11日、ドルフィンズアリーナ)
横綱白鵬(33)=宮城野=が4日目から休場することになった。11日、日本相撲協会に「右膝蓋腱損傷、右脛骨結節剥離骨折の疑いで2週間の安静を要する」との診断書を提出した。休場は2場所ぶり9度目。今年は初場所と春場所を両足親指の負傷で2場所連続休場しており、4場所で3度の休場。4日目に対戦予定だった千代の国は不戦勝となった。
4場所ぶり41度目の優勝へ、我慢して初日から3連勝と星を伸ばしていた横綱がまさかリタイアだ。師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)によれば9日、2日目の正代戦の前、支度部屋でビニールテープに足を滑らせ、踏ん張った時に「ギクッとなった」と、負傷した。
2日目は違和感程度だったが、10日の3日目、琴奨菊戦後に痛みが強くなった。氷で冷やし様子を見たが改善せず、この日朝、医師を部屋に呼び、痛み止めの注射を打った。
病院にも行き診断と治療を受け、ギリギリまで出場へ向け模索。しかし午後になっても痛みは引かず、相撲が取れる状態に戻らなかった。午後2時、横綱から連絡を受けた親方が審判部に休場届を持参し、休場が決まった。
親方は「このままなら優勝ラインに立つと思っていたけど。横綱も『せっかく良かったのに』と言っていた」と残念がった。
昨年から休場場所が飛躍的に増加。稽古量を落とすなど調整方法を変えてきたが「年齢的なものはある」と話した。先場所前に父ムンフバトさんが亡くなり、今場所は弔い優勝へ意気込んでいたが、場所後にモンゴルに帰国するプランも白紙となった。
一方で休場は審判部が翌日の取組を決める会議が始まる午前11時までに届けるのが望ましい。白鵬の休場を受け、審判部は5日目の取組を再び組み直した。「ケガなら仕方がない」と審判部の親方は話したが、結びの一番に懸かった懸賞はすべて取りやめになるなど、影響は大きかった。