栃ノ心が大関初黒星 右足親指を痛め休場も… 骨折ではなく脱臼か「外れた」
「大相撲名古屋場所・6日目」(13日、ドルフィンズアリーナ)
新大関栃ノ心は小結玉鷲の小手投げに屈し、初黒星を喫した。右足親指を負傷し、7日目から休場する可能性も出てきた。横綱稀勢の里、白鵬に続いて、この日、鶴竜が右肘を痛めて休場。3横綱全員不在は99年春場所の貴乃花、3代目若乃花、曙以来19年ぶりで、昭和以降5度目の事態となった。全勝は正代を押し出した関脇御嶽海ただ一人。
全勝街道を突き進んでいた新大関に土がついた。鶴竜の休場で結びに繰り上がった一番。栃ノ心は玉鷲の突きをしのぐと、怪力を発揮する得意の右四つに持ち込んだが、相手の小手投げに崩れるように転がった。
さらに、この際に右足親指を負傷。初日から万全の相撲を続け、06年夏場所の白鵬以来となる新大関優勝、来場所の綱とりへ突き進んでいたところで痛すぎる初黒星を喫した。
全3横綱の休場が決まった日に今場所の主役もアクシデントに見舞われた。痛みをこらえるような表情で現れ、うつむいてため息をつくばかり。古傷の右膝を痛めたのではないかとの懸念には「ちょっと膝が曲がったけど、膝より(右足の)親指をちょっとね」と、無念さをにじませながら話した。
部屋付きの岩友親方(元幕内木村山)が「痛いか」と尋ねると、「折れてはいないけど、外れたと思う」と、骨折ではなく脱臼であると推測。翌日以降の出場について、報道陣からの質問には無言を続けたが、最後に「分からないか」と問われると小さくうなずいた。
取組後、病院から部屋に帰ってきた際には無言。7日目の出場についてはひと晩様子を見るとみられるが、付き添った部屋関係者は「明日いけます。大丈夫です」と話した。