ケルバー、セリーナに雪辱し初制覇!ドイツ勢22年ぶり頂点に涙
「女子テニス・ウィンブルドン選手権」(14日、ロンドン)
女子シングルス決勝は元世界ランキング1位で第11シードのアンゲリク・ケルバー(30)=ドイツ=が第25シードのセリーナ・ウィリアムズ(米国)を下し、初制覇を果たした。四大大会3勝目。女子のドイツ勢では1996年のシュテフィ・グラフ以来22年ぶり。男子ダブルスはマイク・ブライアン、ジャック・ソック組(米国)がこのペアで初優勝。女子ダブルスはバルボラ・クレイチコバ、カテリナ・シニアコバ組(チェコ)が四大大会初制覇した全仏に続いて優勝した。
ケルバーの涙には、栄光と挫折を味わった2年間の思いが詰まっていた。四大大会で2勝し世界1位に駆け上がった16年から一転、昨年は四大大会で4回戦が最高と壁にぶつかった。「こんなに力強く復活するとは誰も思っていなかったはず。多くを学んだ17年がなければ、この優勝はなかった」。変化を恐れず、自分と向き合った日々が報われた。
S・ウィリアムズには2年前の決勝を含め過去2勝6敗だった。「ベストなテニスをしなきゃ勝てない。思い切りいこうと自分に言い聞かせた」。屈指の守備力だけに頼らず、積極的に攻めに転じる新たな意識で、強打を誇る相手のミスを誘発。改良を重ねて速度が増したサーブも「大事な場面で鍵になった」と効いた。
「全てを見直した」という。新コーチを迎え、1日の練習回数や休みの予定管理まで細心の注意を払った。グラフ以来となるドイツ勢の頂点に「幼い頃からこの瞬間を夢見てきた」と感慨を込める。憧れの人と同じように、光り輝くシャーレ(優勝皿)を高々と掲げた。