デニス・テンさん刺殺 羽生結弦らチームクリケットが連名で哀悼「君の情熱は生きていく」
フィギュアスケート男子の14年ソチ五輪銅メダリストのデニス・テンさん(25)=カザフスタン=が19日、母国のアルマトイ市内で暴漢2人と争い刺殺されたと、同国の国栄通信社やロシアの通信社などが一斉に報じた。
カザフスタンの英雄を突然襲った悲劇は、世界中に衝撃を与え、スケーターたちに悲しみが広がった。カナダ、トロントでクリケットクラブでコーチを務めるブライアン・オーサー氏も自身のインスタグラムを更新。テンさんとリンクで競い合ってきたライバルで同クラブに所属する羽生結弦、ハビエル・フェルナンデス、ジェイソン・ブラウンらとの連名で「私たちはデニス・テンの突然な悲劇的なニュースに悲しんでいる。スケートコミュニティーは美しいスケーターを失った。私たちの思いは彼の家族と一緒です。君の情熱は生きていくだろう。結弦(羽生)、ジェイソン、ハビエル、ガブリエル(デールマン)、エフゲニア(メドベージェワ)、チームクリケット一同」と、哀悼の意を綴った。
同国メディアによると、テンさんはアルマトイ市内で車のミラーを盗もうとした2人に右大腿部などを刺されたという。その後、救急車で運ばれたが、報道によれば「3リットル」の血液を失うほど、出血がひどく重篤な状態に陥っていたという。「KAZINFORM」は最新のニュースで同国保健省の関係者の「残念なことに、私たちはもう彼には会えない」というコメント掲載し、死亡が確認されたと伝えた。
デニス・テンは朝鮮系カザフスタン人のフィギュアスケーター。14年ソチ五輪ではSP9位からフリーで圧巻の演技を見せ、羽生結弦、パトリック・チャンに次ぐ銅メダルを獲得。カザフスタンにフィギュアスケートで初めてメダルをもたらした英雄だった。