デニス・テン刺殺の暴漢、事件数日前に釈放されたばかりだった
フィギュアスケート男子の14年ソチ五輪銅メダリストのデニス・テンさん(カザフスタン)が、母国のアルマトイ市内で暴漢2人と争い刺殺された事件で、現地メディア「Tengrinews.kz」は24日、現地警察が容疑者の1人、24歳のアルマン・クーダベゲノフの証言により、凶器となったナイフを押収したと報じた。クーダベゲノフは、自らがテンさんを刺したことを認めているという。
また、ロシアメディア「LIFE」によると、クーダベゲノフは犯行前の7月11日に、アルマトイから1200キロ離れたアスタナで地元住民の車からミラーを盗もうとし、拘留されていた。国外逃亡をしないという書面にサインをし、テンさん殺害の数日前に釈放されたばかりだった。
容疑者はクーダベゲノフと、23歳のヌラリー・キヤソフの2人。ともに窃盗での前科があった。2人とも犯行を自白しているが、相手が有名なアスリートだったことは知らなかったと話しているという。
発表によると、金銭が必要だった2人は、車のミラーを盗み売却することを考え、テンさんの車に目をつけたが、窃盗に及ぼうとした時に車の所有者であるテンさんが現れ、争いとなり、右大腿部などを刺した。逃走後、インターネットのニュースで被害者がテンさんであることを知ったという。別のロシアメディアは、カザフスタンの弁護士の話として、2人に終身刑が科せられる可能性を指摘している。
デニス・テンさんは朝鮮系カザフスタン人のフィギュアスケーター。14年ソチ五輪ではSP9位からフリーで圧巻の演技を見せ、羽生結弦、パトリック・チャンに次ぐ銅メダルを獲得。カザフスタンにフィギュアスケートで初めてメダルをもたらした英雄だった。