バド桃田インタビュー(1)虎党の父の夢が“金”への原点
2020年7月24日に開幕する東京五輪まで2年を切った。バドミントン男子シングルスで日本勢初の金メダルに挑む桃田賢斗(23)=NTT東日本=がデイリースポーツの単独インタビューに応じ、幼少期は熱心な阪神ファンだったことを明らかにした。左利きの息子に「江夏2世になってほしい」と願う父・信弘さんの影響で、野球のためにバドミントンを始めたことが原点だという。また、16年リオデジャネイロ五輪直前に発覚した違法賭博問題への悔恨の念を告白した桃田は、2年後への思いも口にした。
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-いきなりですけど、デイリースポーツを知っていますか…。
「知ってますよ!!」
-日々、阪神タイガースが1面の新聞です。以前、お父さんが阪神ファンだとおっしゃってたんですが、桃田選手も阪神ファンだったりは…。
「あ、ぼくも阪神ファンでした!!」
-ほんとですか!?
「今は時間もないのでそこまで見ないですが、小学生の頃はお父さんが家で見ていたので、ずっと一緒に応援していました。地元(香川県三豊市)も阪神ファンが多かったです」
-2003年に優勝した時は9歳だった。
「うれしかった。(優勝が決まる日の試合で)赤星選手が(サヨナラ打を)決める前に、星野監督が呼び寄せて耳元で何かを話していたのが印象的でよく覚えています。05年の優勝も見ていた」
-好きな選手は。
「今岡選手がすごく好きでした。打ち方がすごくきれいでかっこよかった」
-そういえばNTT東日本での背番号は、今岡選手がつけていたこともある「7」。
「それはたまたまです(笑)」
-芸術的な内角のさばき方がすごいなとか。桃田選手のショットともつながるような。
「そこまではわからないですけど(笑)」
-投手なら。
「う~ん…井川投手が好きでしたね」
-やっぱり自身と同じサウスポー。
「あ~そうなんですかね(笑)。なんとなく好きでした」
-左利きと言えば、お父さんが以前、桃田選手に野球をやらせて「江夏2世になってほしかったんですよ」と言っていました。
「え、そうなんですか。それは聞いたことがなかった(笑)」
-実際に野球もやっていたんですか。
「ずっとやりたくて、小学4~6年生くらいまではスポーツ少年団でバドミントンの合間にやっていました。左利きだったのでポジションは一塁か投手で。変化球は投げられなかったですね」
-お父さんからも野球をやってほしいと。
「はい。『バドミントンの打ち方は野球の投げ方に似ているから』って言われて、野球のために先にバドミントンを始めました」
-やっぱり「江夏2世」への英才教育!
「でも、いつの間にかバドミントンの方がメインになってましたけどね(笑)」
-実際に野球の動きってバドミントンと似ているんですか。
「しっかり足を動かして球を捕るとか、共通点はあるかも」
-1994年生まれのアスリートは他競技とも横のつながりが強い。中でも、女子の奥原希望選手とも親交があるエンゼルス・大谷翔平選手の存在は。
「本当にすごいですよね。活躍を見て自分も頑張ろうとは思わない。同級生だから刺激を受けるとかはなく、1ファンとして純粋にすごいなと思います」