日大“広報のまずさ”も指摘「適切さを欠いていた」 アメフット問題で第三者委
日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題を調査する第三者委員会が30日、最終報告書を発表し、都内で会見を開いた。最終報告書の要旨には、内田正人前監督、井上奨前コーチの会見の司会などで話題になった広報体制の在り方についても「適切さを欠いていた」と指摘された。
タックルを実際に行った選手が記者会見で経緯を告白したことを受ける形で、5月23日に内田前監督、井上前コーチが日大で記者会見を開いた。多数の報道陣が詰めかけ質問が多数出ていた中、この会見の司会をした男性が業を煮やし「これだけ聞いたら十分です」、「やめてください、やめてください、1人で何個も聞かないでください」など、内田前監督が回答しようとしているにもかかわらず質問を遮ったり、会見を打ち切ろうとしたりする場面が話題となった。この会見に象徴される“広報のまずさ”は一連の問題を通じて露呈した。
最終報告書の要旨には「日大による事後対応上の問題点について」という項目が設けられているが、その中に「広報の在り方も適切さを欠いていた」という見出しで広報のまずさが指摘された。「本件においては、試合映像が間もなくネット上で公開・拡散されて多くの人の注目を集めるとともに、マスコミの報道も熱を帯びる中で、日大ひいてはそのブランドイメージが悪化の一途をたどっていった」と指摘。適切な広報に努めるべきだったところを「事後対応における基本的な視点が欠け、広報としての本来の役割が果たされていなかった」と結んだ。
最終報告書の詳細版にも「事案が深刻化し始めた段階から、関連報道を詳細にリサーチし、迅速かつ丁寧で誠実な対応を積み重ねていれば、ここまで大きな社会問題に発展することはなかったのではないかと思われる」とする意見が記された。