日大タックル 衝撃の口封じ「黙っていれば一生面倒を見る、そうでなければ総力を挙げて潰す」
日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題を調査する第三者委員会が30日、最終報告書を発表し、都内で会見を開いた。6月29日の中間報告の時点で、日大側が学生たちに行っていた口封じが認定されていたが、この日の最終報告書では7月4日に付けで辞任した井ノ口忠男前理事による、反則タックルを行った当該選手に対する衝撃の口封じの内容が明らかになった。
5月14日に井上前コーチが内田前監督の指示で、当該守備選手と、その父親を三軒茶屋キャンパスに呼び出し、その場で当時理事だった井ノ口氏が「本件タックルが故意に行われたものだと言えば、バッシングを受けることになる」と、暗に内田氏らの関与がなかったように説明することを求めたという。その上で「(同意してくれれば)私が、大学はもちろん、一生面倒を見る。ただ、そうでなかったときには、日大が総力を挙げて、潰しにいく」と、脅迫まがいの口封じを図ったという。
中間報告では匿名だった井ノ口氏を実名に踏み切った理由について勝丸委員長は「こういう脅迫的な言動を行った方に対しては、実名を出していいだろうという判断」と、説明した。ただ、この隠蔽工作がさらに上の人間からの指示で行われたものかどうかについて、勝丸委員長は「可能性は否定できないが、本人も否定している。断定するだけの証拠は持ち合わせていない」と、話すにとどめた。
最終報告では「当時理事であった井ノ口氏や日大職員によって関係者に対する口封じという重大な隠蔽工作が行われており、日大による事実調査の体制などに大きな問題があったことは明らか」と、断罪した。