日本ボクシング連盟ドタバタ反論 山根会長に忖度?「会長として責任」すぐ削除

 都道府県ボクシング連盟の幹部や元選手ら関係者333人によって、スポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)などに助成金の不正流用や不正判定などの疑惑を告発された日本ボクシング連盟は1日、告発への反論を公式サイトに掲載した。助成金の不正流用は認めつつも、不正判定などは完全否定。ただ一度掲載文を削除し、訂正して再掲載するドタバタの対応を見せた。また疑惑の渦中にある同連盟の山根明会長(78)は数日前に入院し、この日岐阜市内で行われた高校総体ボクシングの開会式を欠席した。

 混迷を示す醜態だった。日本ボクシング連盟は疑惑の告発状に対して、公式サイトに「ご報告(2)」と「ご報告補足」とした文書を山根会長名ではなく、森正耕太郎会長代行と吉森照夫副会長兼専務理事の連名で発表。7月30日に出した文書に続いて再反論した。

 日本スポーツ振興センターから成松大介選手(自衛隊)に交付された助成金240万円が山根会長の指示で3等分され、助成対象外の2選手に80万円ずつ渡された件については事実関係を認めた。ただ「会長が他の2選手を思う親心からしたこと」と弁解。会長が個人的に160万円を工面して成松選手に返却しており、解決済みとの認識を示した。

 一方で、国体のボクシング競技が23年度から隔年開催となったことへの対応のまずさやコーチ謝金の不正流用、山根会長への豪華な接待については「このような虚偽の説明にだまされないでください」などと完全否定した。また「ご報告補足」では、そもそも告発状は受領しておらず「内容が分かりません」と主張。山根会長が日大客員教授に就任した経緯や理由も記した。

 だが、「誤って作成途中の文章が掲載されてしまいました」として1時間もたたずに文書は一度削除。再更新後は山根会長への配慮か、「このことは会長としての私の責任であり、日本スポーツ振興センターやJOCに謝罪致します」という一文と、「ご報告補足」が丸ごと削除された。

 この日の開会式では、岐阜県連盟の四橋英児会長があいさつで不正判定疑惑を痛烈に批判した。これに対して日本連盟の吉森副会長は「普通はああいうことは言わないんじゃない。テレビに毒されてるんだよ」と、声を荒らげて不正判定の存在を強く否定した。連盟側と告発側。その溝が埋まる気配は全くない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス