告発状に新疑惑 山根会長の対抗馬、暴行受けた 選挙前「プロ」から殴られたと証言

 都道府県ボクシング連盟の幹部や元選手ら関係者333人が、スポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)などに日本ボクシング連盟の不正についての告発状を送った問題で、告発された12項目の中に2011年の同連盟の会長選挙に関わる暴力事件疑惑が含まれていることが3日、明らかになった。山根明会長(78)が会長に就任する直前に選挙の対抗馬であった当時の副会長が関係者から暴力をふるわれたというもの。告発状には、山根氏の会長就任に反対していたために殴られたという趣旨の証言も添付されている。山根氏はこの日、デイリースポーツの取材に応じ、全面否定した。

 告発状に添付されているのは、11年に第12代会長を決める選挙前の出来事について、告発状を提出した「日本ボクシングを再興する会」が聞き取った証言だ。証言者は当時の日本連盟副会長のA氏。選挙前のある日の会合に、同じく当時副会長だった山根氏の地元奈良県連盟の男性と、その他関係者数人と食事した後のことだった。

 さらにホテルの部屋で酒を飲むことになっったが、すぐに他の関係者が酒を買いに部屋を退出。2人になると男性はA氏に山根氏の会長就任を容認するように懇願した。A氏が「みなさんが決めること」と返すと「急に立ち上がってきてね、ここをブチーンて殴ってきて、ドアのロックをかけて」と密室で殴られたことをA氏は証言している。

 殴られたのは腕で、A氏は「あいつらもプロだなと思ったけど…。顔を殴られたら警察騒ぎですね」と振り返るが、アザができた腕は「整形(外科)に行って写真もある」という。後日山根氏から「どないするつもりや」と電話があったことも証言。吉森照夫・現副会長兼専務理事から「内輪のことだから」と言われたことも明かし、警察には届けなかったという。

 殴られた理由についてA氏は「会長選で(自分が)勝ちそうだったから。(山根氏に)表だってNOっていうのは、〇〇(自分)だけだってことで」と証言し、殴ったとされる男性は「先生(A氏)さえ山根でいいって言ってくれたら、山根で決まるんだから」と説得してきたという。

 A氏は立候補を辞退して、日本連盟、下部連盟に辞表を提出。山根氏は無投票で会長に就任した。殴ったとされる男性も奈良県連盟を去った。告発メンバーによるとその男性は、暴力団との関わりもうわさされていた人物といい、A氏は報復を恐れてその後も口をつぐんでいたが、今回初めて証言したという。

 この日、デイリースポーツの取材に応じた山根氏は「そんな幽霊みたいなうその話あるわけがない。暴力して会長になったなんて言うてるのはうそ。そんなことしたらその時点で相手に訴えられて、僕の人生終わってます。連中はうそばっかりや」と全面否定。「(A氏には)立候補の資格がない。ブロックの代表理事じゃないと立候補できない。あの人は学識経験者というだけで立候補なんて論外」とそもそも立候補できなかったと主張した。当時理事だった告発メンバーは「連盟の副会長が立候補できないことなんてない。なぜそんなおかしなことを言うのか」と話している。

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