桃田賢斗 絶対王者になる 日本男子初の金も慢心なし「簡単に負けてはいけない責任」
バドミントンの世界選手権で史上最多6個のメダルを獲得した日本代表が6日、開催地の中国・南京から羽田空港に帰国し、ファンや関係者ら約200人の出迎えを受けた。男子シングルスで金メダルを獲得し、五輪、世界選手権を通じて日本男子初の優勝を遂げた桃田賢斗(23)=NTT東日本=は会見で、今後の戦いに向けて「簡単に負けてはいけないという責任を持って、自分らしく戦いたい」と、王者の自覚を口にした。
世界王者となった桃田が、晴れ晴れとした表情で凱旋した。過去の違法賭博問題による出場停止処分でどん底まで落ちたものの、周りの支えでここまで来られた。大会後、LINEには89件の祝福メッセージが届いており、喜びをかみしめたという。「今回は恩返しのチャンスだったので、結果で返せてよかった」と、ホッと胸をなで下ろした。
頂点までにはアクシデントもあった。初日の練習で腹筋を痛めて「スマッシュを全力で打てなかった」という。しかし「守りがテーマ」と宣言した通り、相手のウイニングショットを拾い、ラリーで粘り勝って世界を制覇。「いつもと違う戦い方でも優勝できて自信になった。成長できた」とうなずいた。
チャンピオンとして歩むべき道がある。「プレッシャーというより、簡単には負けてはいけない責任がある」。英雄である男子シングルス五輪3大会(08、12、16年)銀メダルのリー・チョンウェイ(マレーシア)、同五輪2大会(08、12年)金メダルの林丹(中国)の名前を挙げ「誰からも応援され愛される選手になりたい」と宣言。今大会も海外のファンやメディアから注目を受けたが、「プレー以外での振る舞いも必要。もっと成長したい」と人間としてのスケールアップを期した。
次戦のアジア大会(18日開幕、ジャカルタ)に向けて9日からは合宿が再開する。「この結果に満足せず、もっともっと上を目指したい」。桃田の王道は始まったばかりだ。