渡辺、復活の金 世界記録保持者が世界初タイトル!男子200M平泳ぎで大会新!
「競泳・パンパシフィック選手権」(12日、東京辰巳国際水泳場)
男子200メートル平泳ぎで世界記録保持者の渡辺一平(21)=早大=が2分7秒75の大会新記録で金メダルを獲得した。男子200メートル背泳ぎは入江陵介(28)=イトマン東進=が1分55秒12で、100メートルに続いて今大会2つ目の銀メダルを獲得した。女子200メートル平泳ぎは鈴木聡美(27)=ミキハウス=が2分22秒22で3位。400メートルメドレーリレーの男子で日本(入江、小関也朱篤、小堀勇気、中村克)は3分30秒25で2位。女子50メートル自由形の18歳、池江璃花子(ルネサンス)は24秒60の6位だった。
お家芸は俺が守る。世界記録保持者の渡辺が、主要国際大会初の金メダルを獲得した。「こういう雰囲気で勝ててうれしい。ホッとしています」。インタビュアーを務めた、04年、08年五輪2大会連続平泳ぎ金メダリストで、尊敬する北島康介氏から「僕の後を託していいか」と問われ「頑張ります!」と王国復活を宣言した。
不安をかき消すように、自分のレーンだけを見て泳いだ。6月末から夏バテで十分な練習が積めなかった。約2カ月ぶりの実戦で、自身の状態は未知数だった。だからこそ考えたのは「どれだけ速く泳げるか」だけ。レースプランも決めなかった。150メートルのターンもあえて目をつぶった。最後は「きつかったけど、歓声を聞いて勝ちたいと思った」。必死に前へと進んだ。
体調不良だった約2週間は37度程度の微熱が続き、体重は2・5キロ減少。できる練習はこなしたが、予定していた国内レースはパスした。体組成を計った結果、水分不足が影響したという見方もあったため、練習前に500ミリリットルの水分を取ることを習慣づけた。体重もできるだけ戻した。「やれることはやってきた」。過度に不安視せず、意地を見せた。
2020年は「この雰囲気の中で、世界記録を更新できれば」と渡辺。2年後の夏はきっと今以上に熱い。さらなる高みを目指し、バテることなく駆け抜ける。