ラグビー釜石SW未来につながる熱戦 ヤマハ発動機に5点差迫る猛攻
「ラグビー・東日本大震災復興慈善試合、釜石シーウェイブス24-29ヤマハ発動機」(19日、釜石鵜住居復興スタジアム)
19年ラグビーW杯日本大会の試合会場で唯一新設された岩手県釜石市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムが完成し、19日に「オープニングDAY」を開催した。こけら落としとして地元の釜石シーウェイブスとトップリーグのヤマハ発動機が記念試合を行い、東日本大震災で約600人が犠牲になった地域の復興のシンボルとして第一歩を記した。
大漁旗が振られる中、終盤の釜石の猛攻に6530人の観衆が沸いた。15点を追う後半38分、そして41分に連続トライ。5点差まで詰め寄って、ノーサイドの笛がなった。
W杯アンバサダーも務める桜庭吉彦GM兼監督は「次につながる、未来につながるゲームができた」と特別な1戦を振り返った。
東日本大震災で大きな被害を受けた。その中で、W杯招致に成功。スタジアム建設、そしてこの日のこけら落とし。1歩1歩復興へ進む被災地とともに歩みを進めてきた。「いろんなことがあってこの日を迎えた。感慨深い」と目を輝かせた。
被災直後から釜石に出向いて支援してきたヤマハ発動機が相手だった。疲労のため出場しなかったFB五郎丸歩は「7年前に来たときはさら地だった。ショックという言葉しかなかった。今はスタジアムができて、家ができて、普通の生活が取り戻せている。前向きになれるスタジアム」と話した。
復興のシンボルとして産声を上げたスタジアム。その初戦、地元・釜石が最後まで諦めない姿勢を披露した。