バスケ代表不祥事、14年カメラ窃盗事件生かされず…山下団長「十分に伝わってない」
ジャカルタで行われているアジア大会で、バスケットボール男子日本代表の4選手が「JAPAN」のロゴの入った公式ウエアを着たまま深夜の歓楽街に立ち入っていた問題で、日本オリンピック委員会(JOC)は20日、この選手らの日本選手団認定を取り消し、この日早朝に日本に帰国させたと発表した。
日本選手団の山下泰裕団長はジャカルタで記者会見し、謝罪した。山下団長らが19日に4人を聴取した結果、それぞれ女性とホテルに行き「行為に及んだ」と認めたという。金銭を支払っての買春であるかは明らかではないが、「規律ある行動をとらなければならない」とする日本選手団の行動規範に抵触したとみなした。
4年前の教訓は生かされず、またも大会中に不祥事が起こった。14年仁川アジア大会では、競泳日本代表選手がカメラを窃盗したとして日本選手団を追放されている。
これまでもJOCは口酸っぱく行動規範の順守を説いてきた。今大会前も3日に都内で各競技団体を集めて監督会議を行い、開幕前の15日には現地でも徹底を呼びかけた。特に監督会議では、13年の柔道女子代表での暴力問題や、4年前のカメラ窃盗問題の例を引用したといい、山下団長は「具体的な事例も挙げて日本選手団の覚悟、誇りを意識して話してきたつもりだが、十分ではなかった。大事な調整時間まで割いて(監督会議を)やったが、選手には十分伝わっていなかったと感じた」と徒労感をにじませた。
団長は日本バスケットボール協会の役員を叱責したことも明かし、「違反した4人はもちろん、JOC本部役員の思いをなぜ協会の役員がしっかり選手に伝えてくれなかったのか。強化責任者、協会関係者には極めて残念な思い」と語気を強めた。
今回の問題を受けて、20日午前7時には全競技の監督、コーチを集めて事情を説明するとともに、行動規範の再徹底を訴えたという。