【記者の目】カメラ窃盗事件の教訓生かされず…大人扱い限界?

 ジャカルタで行われているアジア大会で、バスケットボール男子日本代表の4選手が「JAPAN」のロゴの入った公式ウエアを着たまま歓楽街に立ち入っていたことが20日、明らかになった。日本選手団の山下泰裕団長(61)が現地で会見。買春行為があったとして、いずれもBリーグの永吉佑也(27)=京都、橋本拓哉(23)=大阪、今村佳太(22)=新潟、佐藤卓磨(23)=滋賀=の4選手の代表認定を取り消すとともに、この日早朝に帰国させた。事実上の選手団追放となる。

  ◇  ◇

 14年仁川アジア大会では、競泳日本代表選手がカメラを窃盗したとして選手団を追放された。不祥事が勃発するたびにJOCは口酸っぱく行動規範の順守を説いてきたが、教訓は生かされなかった。今大会前も各競技団体を集めた監督会議で、カメラ窃盗問題や柔道女子代表での暴力問題を引用した。山下団長は「具体的な事例も挙げて覚悟を伝えたつもりだが、選手には十分伝わってなかった」と徒労感をにじませた。

 今回の4選手はいずれも成人のプロ選手。自分で分別がつかなかったのか。これまでは主に各団体の監督者を通じて呼び掛けてきたが、JOC役員の一部からは選手に直接指導する必要性も進言されたという。山下氏は「われわれには信頼関係がある。ほとんどの選手は分かっている。高校生、大学生に言うようなことを言うのか…」と頭を抱えた。

 JOCの強化指定選手は約4000人。「自分くらいはいいだろう」と1人でも自覚を欠けば、“子供の修学旅行”と同列に扱われかねない。(五輪担当・藤川資野)

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