バド西本拳太は銅、地元選手の“揺さぶり”で接戦落とす「もったいない」
「アジア大会・バドミントン」(27日、ジャカルタ)
男子シングルス準決勝で、世界ランク10位の西本拳太(23)=トナミ運輸=が、世界ランク15位のジョナタン・クリスティ(インドネシア)に1-2で敗れて決勝進出を逃した。3位決定戦はなく、同種目では日本勢48年ぶりの銅メダルとなった。
アウェーでの大激戦で、最後は地元選手に心理戦で敗れた。1-1で迎えた最終ゲームは、西本の3連続得点で19-19と並んだ。勢いづいた西本がサーブを出す場面で、相手はイエローカードをもらいながらも、タオルで床を拭きながら自分の間をつくった。地元の大応援団も後押しする形で、流れが相手に渡った。
西本が「もう少しいいサーブが出せれば」と悔やむように甘くなった球に対し、クリスティは絶妙なヘアピン(ネット前に落ちるショット)を決めて得点。さらに、最後は攻め急いだ西本が強打を狙って自滅した。
惜敗した西本は「もったいない。悔しい負け方」と頭をかいた。「最後は相手の間で、勝負してきたヘアピンがいい球だった。最後も点がほしいあまりに攻め急いだ」と唇をかみ、「1点がほしくてほしくてたまらなくて、気持ちが高ぶって冷静に対処できなかった」と悔しさをあらわにした。
最終的には駆け引きで敗れたが、「普段の練習の積み重ねや、こういう試合を経験していくことが自分の力になっていく。そういうところを重視してやっていきたい」と西本。最後に攻め急いでしまったプレー面についても、「しっかり我慢してラリーできる制球力、技術を磨きたい」と課題を明確にした。
エース桃田賢斗が16強で散った中で、日本勢48年ぶりのメダルを獲得したことに関しては「実感がないが、ここで獲るか獲らないかでは大きく違う」と自信になった様子。「今日勝てればもっと良かったが、これが今の実力。2年後の東京五輪に出場して、銅メダルよりもいいメダルを獲りたい。また厳しい練習をしていく」と成長を誓った。