成松大介が完勝発進 助成金不正流用問題渦中も…目標の金へ気持ち切り替え

2013年の年間表彰式で、山根明会長(右)と握手を交わす成松大介
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 「アジア大会・ボクシング」(27日、ジャカルタ)

 ボクシングの16年リオデジャネイロ五輪代表で、日本ボクシング連盟の混乱で、自身への助成金が不正流用されたことが明らかになった男子ライトウエルター級の成松大介(28)=自衛隊=は初戦の2回戦でインドネシア選手を大差の判定で下し、準々決勝に進んだ。

 何かを振り払うかのように力強く拳を振り抜いた。序盤から積極的に仕掛けた成松がインドネシア選手を相手に5-0判定の完勝発進。「僕の方が全てにおいて上」と自信を持って臨んではいたが、アウェーの大観衆を静めての8強入りに「ホッとしています」と胸をなで下ろした。

 多くの注目が集まる中で迎えた初戦だった。日本スポーツ振興センター(JSC)からの助成金を不正流用するよう日本連盟から指示されていた成松は、告発グループにも名を連ねた。その後、日本連盟の複数の問題が発覚。山根明氏は会長を辞任し、連盟も退会、理事も総辞職した。

 競技に集中するのは難しい状況だったが、大会へ向けた強化合宿の最初に元理事の樋山茂チームリーダーらが騒動について選手に謝罪。成松も気持ちを切り替えた。「僕の目標である金メダル獲得へ向かって、ただただ練習するだけだった。周りがどうこう言おうが僕には全く関係なかった」と練習に打ち込んだ。前会長の辞任には「今の僕からは何も言えない。言う立場にない」とだけ語った。

 注目を集めたからこそ「ここで結果を出して、ちょっとでも日本のボクシング界にいい知らせを届けることができたら」と成松。今は前だけを見据え、ボクシング界の未来を背負って戦う。

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