角田夏実が柔道金メダル1号「しっかり折ろうと」腕ひしぎ十字固めでアジア女王
「アジア大会・柔道」(29日、ジャカルタ)
女子52キロ級決勝で、昨年世界選手権銀メダリストの角田夏実(26)=了徳寺学園職=が、朴多率(韓国)に腕ひしぎ逆十字固めで一本勝ちし、柔道で今大会第1号となる金メダルを獲得した。
キュートな笑顔とはまるで似つかわしくない、必殺の腕ひしぎ十字固めでアジア女王を勝ち取った。決勝は開始30秒にともえ投げで技ありを奪うと、得意の寝技でタフな韓国選手をしっかり仕留めた。柔術仕込みの“腕折りガール”は「得意分野なので、しっかり(相手の腕を)折らなきゃいけないと思ってかけました」と胸を張った。
大会一週間前にはぎっくり腰を発症し、練習を積めなかった。ただ、4月に優勝した全日本選抜体重別選手権にもぎっくり腰にかかっており、昨年の世界選手権前には鼻の骨折や食中毒に見舞われるなど、大会直前のアクシデントには慣れっこだ。「試合前はいつもこういう感じ。またきたかと。試合のとき痛くないようにできればいいかなと思っていた」とあくまでポジティブ。この日は痛み止めを飲みながら実力を発揮し、「勝ててホッとした」と胸をなで下ろした。
東京五輪代表に向けた三つどもえの争いにも生き残った。世界選手権(9月、バクー)代表の阿部詩、志々目愛に次ぐ3番手だったが、4年に一度のアジア大会で存在感のアピールに成功。今大会優勝と同時に出場権を得たグランドスラム大阪(11月)に向けて、「ギリギリまだ自分もいるぞとアピールできた。しっかり2人を追っていきたい」と気合を入れた。