錦織圭、2年ぶりの全米快勝発進 初顔世界50位、問題にせず
「男子テニス・全米オープン・2回戦」(28日、ニューヨーク)
男子シングルス1回戦で第21シードの錦織圭(28)=日清食品=が世界ランキング50位マクシミリアン・マルテラー(ドイツ)をストレートで退けた。2回戦でガエル・モンフィス(フランス)と対戦する。女子シングルス1回戦で第20シードの大坂なおみ(20)=日清食品=は3年連続で初戦突破。2回戦でユリア・グルシュコ(イスラエル)と当たる。
前に踏み込んでの力強いリターンはこの夏、不調だった錦織にはなかったショットだ。過去に準優勝と4強を経験した得意の四大大会で、初対戦だった左利きのマルテラーを封じて好発進。「セカンドサーブを攻めたかったし、いいリターンを返せて自分の攻撃パターンにできていた」。狙い通りの試合運びに自然と口元が緩んだ。
サーブが好調だったウィンブルドン選手権からは試合前のコイントスで勝つとサーブを選択していたが、久々にリターンをとった。「直前まで迷っていたが、とっさにリターンを選んだ」。この勘もプラスに働いた。
第1セットの第1ゲームでブレークに成功。4ゲーム連取で勢いに乗り、第2セット以降もより攻めの姿勢を出した。バックのクロスからの組み立てで相手を揺さぶり「(ベースラインの)前に入って打ち抜くことができた」と胸を張った。
高温になった日中は熱中症で棄権する選手が出る状況だったが、錦織の試合は気温が下がった午後7時前の開始だった。「遅い試合でラッキーだった」と運も味方につけ、2年ぶりの全米を滑り出した。