“腕折りガール”角田夏実、金メダル獲得! 腕ひしぎ十字固めで仕留めた
「アジア大会・柔道」(29日、ジャカルタ)
柔道初日で男女各2階級が行われ、女子52キロ級の角田夏実(26)=了徳寺学園職=が金メダルを獲得した。同48キロ級の近藤亜美(23)=三井住友海上、男子60キロ級の志々目徹(26)=了徳寺学園職、同66キロ級の丸山城志郎(25)=ミキハウス=は銀。スケートボードのパークで男子の笹岡建介(19)=PROSHOP BELLS=と女子の四十住(よそずみ)さくら(16)=和歌山・伊都中央高、男子ストリートの池慧野巨(けやき、17)=大阪・第一学院高=が優勝。2020年東京五輪の新競技で10代の3人が金メダルを手にした。
角田がエグい伝家の宝刀を抜いた。決勝で寝技に持ち込むと、キュートな笑顔とは似つかわしくない必殺の腕ひしぎ十字固めに移行。「得意分野なのでしっかり(腕を)折らなきゃいけないと思ってかけた」。柔術経験もある“腕折りガール”は、タフな韓国選手をしっかり仕留めて金メダルをもぎ取った。
実力的には優勝候補筆頭も慣れないアジア勢との戦いに不安もあった。「周囲に『勝てる』と言われて緊張したが、勝ててホッとした」。決勝前、相手が自身の得意技であるともえ投げ対策をしているのを目撃。「今日は絶対出さないぞ」と誓ったはずが、開始30秒で、そのともえ投げで技ありを奪った。「自分の気持ちとは裏腹にかけてた。ポイントになって良かった」。本能での勝利を不思議そうに笑った。
東京五輪代表に向けた争いにも生き残った。世界選手権(9月、バクー)代表の阿部詩、志々目愛に継ぐ3番手だったが、4年に一度の“徳俵”のチャンスをものにした。金メダルで出場権を得た、グランドスラム大阪(11月)では2人との直接対決も可能だ。「ギリギリ自分もいるぞとアピールできた。まだ差があるが、しっかり2人を追っていきたい」。ビッグタイトルを自信に、強力なライバルの背中を追う。