リレー侍が金メダル 圧勝で20年ぶり栄冠!!東京へ桐生「もう1回メダルを」

 「アジア大会・陸上」(30日、ジャカルタ)

 陸上男子400メートルリレーで、山県亮太(26)=セイコー、多田修平(22)=関学大、桐生祥秀(22)=日本生命、ケンブリッジ飛鳥(25)=ナイキ=のオーダーで臨んだ日本が38秒16で快勝し、1998年大会以来20年ぶりの金メダルを獲得した。

 多少の詰まりはものともせず、アンカーのケンブリッジは圧倒的な差をつけてゴールテープを駆け抜けた。響く君が代。20年ぶりに日の丸が頂点に掲げられると、4人は満面の笑みを浮かべた。

 「金メダルを取れたことが本当にうれしい。ただ37秒台を狙っていたので、そこが達成できなかったのは悔しい」と山県。日本記録はリオ五輪でマークした37秒60。その更新を掲げてもいただけに、複雑な思いもあった。

 “最強布陣”で臨んだ。銀メダルを獲得したリオ五輪から、それぞれが自己ベストを更新。山県、桐生、ケンブリッジの3人を合わせるとちょうど0・1秒縮む。さらに2走が飯塚から多田に代わり、ベストは0・15秒減。単純に0・25秒縮まる計算だった。

 しかし培ってきたバトン技術や互いのコンディションを見極める感覚は、一朝一夕で築けるものではない。特に「受け」と「渡し」の両技術が必要となる2走の変更は負担が大きい。「調子も上がってきたし、不安はなかった」と自信を取り戻して臨んだ多田だったが、単純計算で埋まるはずの距離は埋まらず、掲げていた37秒台には届かなかった。予選からもわずか0・04秒しか伸ばすことができず「バトンはたぶん全区間詰まってしまった」と山県。“応用力”を試したが、簡単にはいかなかった。

 とはいえ、アジア王者として東京五輪を迎えられる意味は大きい。今大会はインドネシアがシーズンベストタイムをマークして2位に入り、スタジアムは大歓声に包まれた。「自国開催は盛り上がりが違う」と桐生。「僕らはアジア大会ではなく、世界規模の五輪が地元で行われる。もう1回メダルを取りたい」。世界を震撼(しんかん)させたリレー侍。この金メダルを2年後につなげる。

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