速見コーチの申し立て取り下げ 溝口紀子氏「この期に及んで…」

 女子体操の宮川紗江に暴力を振るったとして日本体操協会から無期限の登録抹消処分を受けていた速見佑斗コーチが、東京地裁に申し立てていた地位保全を取り下げたことに、柔道家の溝口紀子氏は31日放送のTBS系「ひるおび!」で「ずるいな」「この期に及んで」と不快感を示した。

 番組では宮川のパワハラ告発問題を取り上げたが、その最中に速見コーチ側の謝罪文と、申し立て取り下げを行う趣旨のFAXが報道機関に送られたことで文面を紹介。

 速見コーチ側は取り下げ理由について、体操協会側が会見で「処分はされても指導はできる」「(登録抹消の処分の)無期限は永久的ではない」などと説明したことに触れ、「今、私が行っている処分を不服として裁判所で協会と争っていることは選手ファーストになっていないと思いました」と説明。

 そして「すべきことは処分を不服として争うことではなく、処分を全面的に受け入れ反省し、皆様に認めてもらった上で、一刻も早く正々堂々と宮川選手の指導復帰を果たすことこそが選手ファーストだという結論に至りました」としていることを紹介した。

 この第一報を目にした溝口氏は「ずるいな」「この期に及んで申し立て取り下げは逃げたんじゃないか」とコメント。申し立てを取り下げたことで「宮川さんだけに圧力がかかってしまうと思う。自己保身のために選手を切り捨てたようにも見られる」と宮川を心配した。

 速見コーチは取り下げ理由に「選手ファースト」を挙げているが「選手ファーストのために取り下げたというんですけど、選手ファーストは宮川さんじゃなく、速見さんの(教える)他の選手のため協会と今後うまくやっていくという意味じゃないのかと感じた」との持論も展開した。

 その後、再びこの問題を取り上げたが、溝口氏は「協会側になびく印象も、一方で第三者委員会で改めて精査してもらえるから協会を敵にしない方がいい、得策という2つの論点が見える」と分析した上で「でも、なぜ今更?というのがあるんです。速見コーチのブレが見える」とコメント。

 更に、暴力があった場合、その組織は暴力を今後行わない指導を行うのが普通にも関わらず、特段の指導もないまま「処分はされても指導はできる」などと体操協会が言っていることに「矛盾してないですか?暴力に対して指導措置できてない」と疑問を呈していた。

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