成松は銅メダル 前戦で流血→強行出場も敗戦

 「アジア大会・ボクシング」(31日、ジャカルタ)

 男子ライトウエルター級準決勝が行われ、日本ボクシング連盟の混乱が続く状況で臨んだ成松大介(28)=自衛隊=は0-5で敗れた。準々決勝の勝利で既に銅メダル以上は確定。頂点を目指して臨んだが、昨年の世界選手権銀メダリストであるイクボルヨン・ホルダロフ(ウズベキスタン)に屈した。

 29日の準々決勝で頭部を負傷し大量出血。その日のうちに3カ所を医療用ホチキスで留め、30日夜に外し、試合当日31日の朝に縫い、出場許可をもらっての“強行出場”だった。「先生方に本当にお礼を言いたい。じゃないと出ることもできなかったので」と成松。患部はガッチリ固められており、いまもハッキリと縫った跡が分かるような状況だった。

 負傷箇所を考慮し、序盤は特に相手と距離を取りながら要所でボディーを狙った。判定自体は0-5の大差だったが「僕に1ラウンドつけてくれるジャッジもいた」と成松が言うように、29-28をつけたジャッジも3人いた。「勝ちには及ばなかったけど、評価してもらえた部分もある」。自信も得た大会となった。

 「金メダルが目標だったので、決して満足はしていないけど、取るのと取らないのじゃ天と地の差。そこはよかった」と成松。今後、連盟が新たな体制となることについては「変われば良くなっていくんじゃないか。それに期待するだけ」とだけ話した。

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