体操パワハラ問題 録音の音声データをTV公開 千恵子氏側「知ってほしい」
体操の2016年リオデジャネイロ五輪女子代表・宮川紗江(18)からパワハラ告発を受けた日本協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)と夫の塚原光男副会長(70)は31日、訴えに対する見解を文書で発表した。「心を深く傷つけてしまった」と宮川に謝罪しつつも、「脅すための発言はしていない」などと告発内容を否定。また宮川とのやりとりを録音したものを第三者委員会に提出する意向を明かし、“反撃”に出る構えを示した。
テレビ朝日系「報道ステーション」は31日、塚原千恵子女子強化部長と宮川の会話を録音したとされる音声データを公開した。データは千恵子氏が代理人を通じて番組提供。今後、第三者委員会にも提出するとしている。
音声では千恵子氏が諭すように「あなたはオランダ(での大会)の所感に『見ることで勉強もしたし、いろいろ学んだ』と書いてあったけど、人の試技会やら練習しているところを見たって勉強になるでしょう」と質問。宮川とされる女性が「今はそういう気持ちになれない」と返すと、「それはあなたね、自分のわがままよ。コーチや親が帰ってこいって言ったわけ?」と、問いかける様子などが伝えられた。
その後のやり取りは以下の通り。
-宮川とされる女性(以下、宮川)「帰りたいというのは伝えました」
-千恵子氏「親を呼び出しましょうか?」
-宮川「それは別に構いません」
-千恵子氏「でもそれはあなた自身の責任でやらなきゃいけないんじゃないの?自分が巻き起こしたことで自分が逃げるというのはダメ。スポーツをやる意味はどんな苦しいことがあったってちゃんとやるとか、我慢をするとか、そういうことを今まで学んできたと思うから。監督として『あ、そうですか。帰っていいです』とはできない。誰が監督でもそう言うでしょう」
千恵子氏側は音声を公開した理由について、「宮川選手に対する全面対決ではなく、反撃でもなく、あくまで会話の状況を聞いていただき、メディアでお伝えされている高圧的ではないということを知っていただきたい」としている。また、やり取りを録音した経緯に関しては「所属契約をめぐり、宮川選手が弁護士を立てて争っているような状況だったので念のため録音した」という。