稀勢の里、覚悟の出場宣言 進退懸け4場所ぶり「やるべきことやった」

 「大相撲秋場所」(9日初日、両国国技館)

 左大胸筋負傷などで8場所連続休場中の横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が秋場所に出場することが6日、決定した。この日、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)と電話会談し最終決断。3場所連続全休から進退を懸けて4場所ぶり本場所に復帰する。場所前最後の出稽古は千葉県習志野市の阿武松部屋で幕内阿武咲(22)と14番取り、10勝4敗と納得の仕上げとなった。

 稽古後、阿武松部屋で稀勢の里は出場を“宣言”した。「最後しっかり準備できた。やるべきことをやった。稽古場と本場所は違う。集中していく」。

 年6場所制となった1958年以降、ワースト8場所連続休場の汚名を背負い、4場所ぶり復帰。退路はない。「やるべきことをやるだけだから」。進退を懸ける場所、短い言葉に覚悟を込めた。

 最終仕上げの相手は22歳の阿武咲を指名。2日の出稽古に続き生きのいい若武者を“おかわり”。勢いを全力で受け止め10勝4敗と貫禄を見せた。立ち合いで右前ミツを取り一気に出る形など進歩。「しっかり自分の形を意識して。思い切って来てくれるのでやりたいことをやれた」と充実感があふれた。

 夏巡業にフル参加し追い込んできた。場所前の稽古では大関豪栄道(境川)に完敗するなど不安もあった。それでも「内容が濃い。良かったり悪かったりが逆に良かった」と十分な収穫はあった。

 稽古後に師匠の田子ノ浦親方と電話で話し最終決断に至った。親方は「左腕もよくなってきた。横綱は勝たないといけない。本人も横綱の相撲を取り切る気持ち。毎場所、進退を懸ける気持ちで土俵に上がっている」と弟子の思いを代弁した。

 初日まで3日。初場所5日目に敗れて以来234日ぶり、生死を懸けた戦いの幕が開ける。

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