ボクシング連盟“山根体制”終えん 急刷新に難色の声も 「協力を!」魂の懇願実る

 助成金流用や、山根明前会長のパワーハラスメント、反社会的勢力との交遊が問題となった日本ボクシング連盟は8日、都内で臨時総会と、理事会を開催し、総辞職した理事会の新メンバーを選出し、新体制が発足した。

 新会長には「日本ボクシングを再興する会」のメンバーで、宮崎県連盟会長の内田貞信氏が選出された。副会長は宮崎県連の菊池浩吉氏、新潟県連の鶴木良夫氏、千葉県連の坂巻義男氏の3人、専務理事には新潟県連の仁多見史隆氏が入り、執行部は「再興する会」のメンバーが固めた。

 前体制を支えた吉森照夫専務理事、森正耕太郎会長代行、内海祥子常務理事ら旧執行部は総退陣し、“山根体制”は正式に終えんを迎えた。

 決してすんなりと決まったわけではなかった。新理事選出に向けて、「再興する会」は旧執行部と人選をすり合わせて、この日に臨んだが、「再興する会」、旧体制のどちらにも属さない層からは、急な展開に異論や戸惑いが続出。「もう1回、連盟に持ち帰らせてほしい」という声も出て、一時は“散会”の危機に陥った。それでも直近に迫った国体や20年東京五輪に向けて切迫した状況の中で、副会長に就任した菊池氏の訴えが流れを変えたという。「こういう状況は一刻も早く変えないと。協力してください!」。専務理事となった仁多見氏は「急だったのは確かだし、ごもっともな意見でしたから。菊池先生の熱意のある言葉が決めてだったと思う」と、振り返った。

 新体制ではこれまでのような一般社団法人ではなく、公益法人化を目指す。「一般では1人の独裁を生んでしまった。公益となって、評議員会をつけてチェック体制を整えた方がいい」と、仁多見専務理事。アマチュアボクシングの未来を切り開くための、ゴングが鳴った。

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