【記者の目】大坂なおみを変えたハッピーな「正義の」味方

 日本のテニス史上初めてとなる四大大会のシングルス制覇を果たした大坂なおみ
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 「テニス・全米オープン」(8日、ニューヨーク)

 女子シングルス決勝で世界ランク19位の第20シード、大坂なおみ(20)=日清食品=が、元世界ランク1位で現在26位の第17シード、セリーナ・ウィリアムズ(36)=米国=を6-2、6-4で破り、男女を通じて日本のテニス史上初めてとなる四大大会のシングルス制覇を果たした。アジア勢の全米優勝も初で、優勝賞金380万ドル(約4億2180万円)を獲得。大会後の世界ランクは自身初のトップ10入りで、伊達公子が95年11月にマークした4位に次ぐ歴代2位の7位に浮上する。

  ◇  ◇

 3月のBNPパリバ・オープンでツアー初優勝を飾ったばかり。わずか半年後に四大大会まで勝ってみせた大坂の驚異的な成長を導いたのは、今季から指導を受けるサーシャ・バインコーチだ。

 S・ウィリアムズのヒッティングパートナーでもあった敏腕ドイツ人コーチは、性格的に浮き沈みの激しかった大坂のメンタルを改善。コーチ曰く、大坂は「僕が何か失敗すると、それを絶対に忘れない。一生言われそうなぐらいネガティブ」だったが、時に激しくぶつかりながらも自信を植えつけていった。

 大坂は「彼は『自分は正義』だっていって、すぐに怒る」と苦笑いしつつ「練習がすごく楽しくなった。彼は本当にポジティブで楽しい人。ハッピーなコーチがいることで、自分もポジティブになれる」と、“バイン効果”を明かす。

 数々の名選手を育て「一人一人性格もプレーも違うので、毎回接し方は違う。これをやれば、という万能薬があれば、本を書いて稼ぐよ(笑)」と笑うイケメンコーチが、大坂の眠っていたポテンシャルを解放した。(五輪担当・大上謙吾)

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