体操女子リオデジャネイロ五輪代表、宮川紗江（１９）を巡る問題で、渦中にある塚原光男副会長（７０）、塚原千恵子女子強化本部長（７１）夫妻が１０日までに都内で取材に応じ、宮川側が主張しているパワハラと引き抜き疑惑を否定した。そして、騒動の裏には、来年の日本体操協会の役員改選を巡る権力闘争があることを示唆した。日本協会は１０日、都内で臨時理事会を開催し、１０月開幕の世界選手権（カタール、ドーハ）への影響を懸念し、夫妻の職務一時停止を決定。また、具志堅幸司副会長（６１）は、夫妻の「権力闘争」発言に不快感をにじませた。

　日本協会の具志堅幸司副会長（６１）は夫妻の「権力闘争」発言に不快感を示した。前日に放送された塚原夫妻のインタビューで、夫妻は騒動裏には「黒幕がいる」、「日体大と仲良くない」などと赤裸々に話し、騒動の現状を「権力闘争になっている」と指摘。日体大学長で、日本協会副会長でもある具志堅幸司氏の会見内容にも疑問を投げかけていた。

　これを受けて、具志堅副会長は「（権力闘争の）そんな意識はない。なぜああいう発言になるのか、まったく理解できない」と、不快感をにじませた。

　日本協会はこの日、臨時理事会を開催し、光男副会長、千恵子女子強化本部長の職務一時停止を決定。第三者委員会の調査の長期化が予想され、１０月に開幕する世界選手権（ドーハ）の選手への影響が懸念されるためで、強化本部長は代行を立てる見込み。具志堅副会長は「塚原夫妻で継続するのと、我々の判断で、どっちが選手、国民に納得を得られるかを物差しとした。これだけ騒ぎになったのだから、継続はありえない」と説明した。