十両安美錦、再入幕へ4勝目 張り手で攻める「一発張って中に入ろうと思った」

 「大相撲秋場所・5日目」(13日、両国国技館)

 元関脇で西十両筆頭の安美錦(39)=伊勢ケ浜=が明瀬山(木瀬)を寄り切って4勝目(1敗)を挙げた。

 互いに突っかけて3度目の立ち合い、右からバチンと張った。押し込んで距離を取ってからさらに右張り手を2発かます。相手の上体を起こして左前ミツを取って勝負を決めた。先手を取っての厳しい攻めだった。

 「中途半端にならないように自分から攻めようと一発張って中に入ろうと思った。計算して入っていこうと思ったので。大振りになったけど張ってから入ろうと。まわしとってからは差させないように我慢して我慢して相撲が取れた」と納得顔で振り返った。

 前日同様、相手が仕切り線から離れ距離を取ってきた。「手を出して自分の距離を作ろうと思った。リズムだから」と“安美錦対策”に張りで対抗する作戦がはまった。

 夏場所は再入幕したが古傷の右膝を悪化させた影響もあり4勝11敗と負け越し。先場所、十両で仕切り直した。30歳代最後の今場所、勝ち越せば40歳で再入幕の可能性は十分にある。

 右手薬指、鼻の上に血がにじむ激戦。「気持ちも張り手に乗っかった。気持ちでいけたと思う。地味に痛い」と細い目で笑った。

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